香味を尊重する文化があります。
はじめて日本にコーヒーが伝わったのは、
江戸時代初頭の長崎出島といわれていますが、
本格的な普及は、明治時代の半ば過ぎになります。
日本最初の喫茶店、可否茶館(1888年)
1915年 大正4年
コーヒーは一杯15銭
映画は20銭でした。
昭和にはいり、第二次大戦中はコーヒーの輸入が禁止され、
その代用として、大麦、とうもろこし、大豆などを使って、
コーヒーに似た風味を味わう飲み物がありました。
戦後は、昭和25年からコーヒー豆の輸入が再開され、
個人経営の喫茶店での提供が主流となりました。
当時は、1杯ずつ手作業で抽出する、今でいう、
ハンドドリップ式で淹れるコーヒーが流行っていました。
出典 『廿世紀』 1巻3号 大3年10月 |
当時LPレコードやプレイヤーなどは高価で、
個人レベルでの入手が困難であったため、
喫茶店にはこうした音楽鑑賞の場所としての役割もありました。
クラシック、ジャズ、シャンソンなど、多くの文化人を輩出した
喫茶店は、多数あります。
かねてより喫茶店は、コーヒーや紅茶を味わう場であり、
文学、芸術や音楽を語り、食事を楽しみ、
私たちの心を豊かにする場所として、生活の一部となっているのです。
昭和の初めから今日に至るまで経営をしている
老舗喫茶店も残っており、東京渋谷の喫茶ライオンなどが有名です。
その後、時代は急速にながれ、90年代から
従来の浅く焙煎したコーヒー豆を使うアメリカン・コーヒーとは一線を画した
シアトル系のトッピングコーヒーが流行し、
様々な味を楽しむことができるとともに、
コーヒーがカジュアルで身近なものとなりました。
最近では、再びハンドドリップコーヒーが
「サードウェーブ(三番目の流行)」として、
話題を呼んでいます。
日本のコーヒー文化は、さらに豊かに発展していきそうです。
Coffee and junk ハライソ4345 店内
撮影許可済 |
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